多言語&IT人材の求人は堅調維持=JACリポート

ジェイエイシー(JAC)リクルートメントは2019年10—12月の「アジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向」を発表。マレーシアについては、日系企業の求人数は昨年同期比で減少した一方、地場や外資では多言語人材やIT人材の求人は引き続き堅調だと分析した。

JACは、景況感が悪化している中にあって雇用に関わる指数が平均レベルを維持しており、人材の引き止めや確保については引き続き楽観視していることが伺えると指摘。非日系企業(外資、ローカル企業共)での求人が前年同期比で8%増加した一方、日系企業では12%の減少となったとし、特に外資系の求人が増加した背景として、引き続きBPOとSSC(シェアードサービスセンター)でのニーズの高まりによるとした。

また日系企業では、製造業、特に電気・電子製品(E&E)や家電業界での求人が減少している一方で、製薬・医療機器、化学、IT関連業界での求人は引き続き旺盛で、一部半導体で採用凍結を解除するなど回復の動きが見られるとした。

給与水準については、BPOとSSCでの求人が引き続き旺盛なことから、候補者へ提示する市場水準の30—60%程度増の高水準で推移していると指摘。但し言語能力については、読み書き話すそれぞれでネイティブ・スピーカー並みの能力を要求される求人が多く、供給が追いつかない状況にあるとした。

また総論として、アジアの他国では未だ残る米中貿易摩擦の影響や、景気減速などの要因により第4四半期の求人数の回復が見えないものの、成長分野や将来の成長戦略に対しては人的資源への投資を継続しており、2020年は求人増が見込まれると指摘。中国経済が減速する中、東南アジアに活路を見いだすべく中国系家電大手や不動産開発の販路拡大や進出の動きがあり、日系企業への影響を注視していく必要があるとした。