都市部の最低賃金引き上げ、経営者連盟などが懸念
都市部を対象に最低賃金を1月1日付けで現在の1,100リンギから1,200リンギに引き上げる方針を2020年度予算案に盛り込んだ件で、マレーシア経営者連盟(MEF)のシャムスディン・バルダン専務理事は、「ビジネスコストをさらに増やす」と懸念を表明した。
シャムスディン氏は、「最低賃金が2年ごとに見直されることを規定している国家最低賃金法に準拠していない」と指摘。「直近の最低賃金見直しは2019年1月に発効しており、次の見直しは2021年1月発効であるはず」と述べた。
マレーシア労働組合会議(MTUC)のJ.ソロモン書記長は、最低賃金引き上げについて歓迎の意を示した上で、生活費上昇に十分には対応できていないと指摘。MTUCとしては1,800リンギを要求しているとし、政府に検討実施を求めた。
またソロモン書記長は、生活費補助(COLA)が盛り込まれなかったことに失望を表明。残業手当支給対象を月給4,000リンギに引き上げたことに言及し、残業手当拡充よりCOLAを盛り込むべきだったと指摘した。
マレーシア・ゴム手袋製造業者協会(Margma)は、都市部での生活費上昇のため最低賃金引き上げは避けられないとした上で、人件費コスト上昇分は輸出価格に転嫁するしかないとの考えを示した。