金融サービス、今年も雇用と賃金は安定推移の見通し

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】
 外資系人材紹介会社ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメントは、アジア5カ国・地域における1,244職務の給与水準(当社実績ベース)を発表した。金融サービスセクターでは、業界の規模の縮小が続くなか、雇用は安定するが、賃金は横ばいで推移する見通しだ。

 規模の縮小と効率化に向けたコスト削減計画を推進する企業が増えているにもかかわらず、マレーシアの金融サービス業界の採用活動は2019年を通して活発な状態が続いた。その結果、給与と賞与はあらゆる企業で前年からほぼ横ばいで推移したという。

 ファイナンステクノロジー分野では、従来型の金融サービス業界がフィンテックの採用を開始しており、モバイル/ウェブ開発、新興テクノロジー、データアナリティクス分野の人材の雇用機会が増加している。金融サービス業界はこれまで、採用プロセスにおいて慎重な選抜を行っていたが、2019年のマレーシアのフィンテック分野では、IT以外のバックグラウンドを持つ人材など、他分野からも人材も獲得しようという試みが見られた。 

 保険市場では、自動車保険に続き、2020年は火災保険も保険料率が自由化された。しかしこの自由化が、競合の激化と引受マージンの圧迫の高まりにつながり、自動車と火災のみならず、医療、健康、財産、技術など他の資産クラスにわたって、優れた引受人の需要が拡大しており、雇用主が引受人の業務に対し、極めて積極的に高額の給与を支払う傾向が見受けられる。

 購買・サプライチェーン市場では、昨年は、シェアードサービスセンターや一元的な製造・サプライチェーンハブの設立が進められ、サプライチェーンプロフェッショナルの一貫した需要と成長が見られた。また多くの企業が、リソースやプロセスを向上・最適化するために、合理化やデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいる。

 セールスの雇用市場では、新しい職務が絶え間なく生まれ、活況が続いている。経済成長に伴い、成長著しいテクノロジー企業では、有能な人材に対しこれまでよりもわずかながら高額の給与を支払うことに前向きであり、このトレンドは2020年も続くことになると予想されている。

 経理・財務の雇用市場は昨年に続いて上向きに推移する見込みだ。MNC(多国籍企業)による地域の共有サービスセンター設置に向けた継続的な投資、すべての業界での商業財務候補者の需要の著しい増加により、2020年を通して経理・財務の雇用市場は確実に成長すると予想されている。

 人事部門では、スリム化が進み、給与は低下傾向人事市場では2019年に引き続き、人事プロフェッショナルの大幅な給与の上昇は見られず、一方で給与水準引き下げの兆しも見えた。

 同調査は、2019年9月ー10月にかけて中国2,227人、香港特別行政区645人、日本655人、マレーシア825人、シンガポール794人を対象に実施した。