雇用環境が変化、経済活動再開後も就職難が続く可能性も

【ペタリンジャヤ】 新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い失業者が増加しているが、雇用環境が変化しているため、ワクチン接種が進み経済活動が再開されても就職難が続く可能性がある。
 マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、ホスピタリディ、レジャー、食品、飲料産業では在宅勤務やデジタル化、自動化が進められており、労働需要が減少する可能性があると指摘。倉庫や食料品店、コールセンター、製造工場では自動化や人工知能(AI)を導入して、職場の人口密度を下げて商品やサービスの需要に対応していると述べた。その一方でEコマース(電子商取引)や配送事業の成長に伴い配達や倉庫保管、輸送の雇用は増える可能性はあると言明。しかし、世界経済フォーラムが発表したレポート「The Future of Jobs (仕事の未来)2020」では、データ入力や秘書業務、工場労働者など様々な人間の仕事が新技術やロボットに置き換えられていることが示されているとして、懸念を表明した。
 マレーシア中小企業(SME)協会のマイケル・カン会長は、SMEの多くはオンラインビジネスに切り替え、業務の流れを変更していると指摘。フロントデスクや経理、管理、販売などの人材を削減しているとした。また外国人労働者の雇用ができなくなったことで、製造業ではAIやスマートテクノロジーを導入、従業員を削減し、受注から配送までの工程を自動化していると言明。自動化は初期費用がかかるものの、長期的にはランニングコストを20ー50%引き下げ、生産を上げることが可能だとした。