家電のダイソン、働虐待の告発受けマレーシア下請けの契約解除

【クアラルンプール】 ハイテク家電のダイソンは、労働虐待に関する外国人従業員の告発を受け、マレーシアの電子機器受託製造(EMS)大手、ATA IMSとの関係を解消すると発表した。2022年6月で既存契約を打ち切る。
 ATA IMSはダイソンの掃除機及び空気清浄機の部品を製造。ダイソンが同社の売り上げの80%を占めている。報道を受けてATA IMSの25日の株価は30%も急落した。
 ロイターによると、ダイソンは9月時点でATAの社員による「受け入れがたい行為」があったとする内部告発を受けて法律事務所に調査を依頼し、10月初旬に調査結果を受け取ったと公表。ATA IMSに対する6週間にわたる干渉にも関わらず進展がなかったとし、すでに生産ラインを撤去したことを明らかにした。
 内部告発を行ったのはATA IMSの現職及び元従業員7人で、マレーシアの労働法の基準を超える残業を強いられていた。告発者の一人であるネパール人男性は、今年6月にはこの件に関して外部の活動家に情報を漏らしたという理由で警察に連れていかれ殴打されたと証言。告発したことへの報復を恐れて海外に逃亡したと語った。
(ロイター、エッジ、11月25日)