強制労働に関する行動計画を発表=人的資源相

【クアラルンプール】 M.サラバナン人的資源相は26日、国際労働機関(ILO)の人身取引などを禁じた第29議定書の批准に合意し、その実施のための「強制労働に関する国家行動計画(NAPFL)2021-2025」を策定したと発表した。2030年までに強制労働をなくすことを目標とする。強制労働に関する行動計画の策定はマレーシアでは初となる。
NAPFLは、政府、雇用者、労働者団体、一般市民が実施する活動を定めたもの。提言された対策を体系的に実施することで、不当労働や強制労働に対する法令が遵守できる。強制労働の被害者は救援・保護機関へつながりやすくなり、強制労働に対する一般の理解も広がる。NAPFLの実施状況の確認のため、2023年にレビューが行われる。
同相は、NAPFLはマレーシアにおける強制労働の慣行を排除し、被害者を保護するための重要なツールだとし、労働者が第一の受益者であると同時に、企業もグローバルな競争力を強化するため、より持続可能で人権を中心としたビジネスへの改善が可能だと言明。NAPFLの策定プロセス自体が、ステークホルダー間の協力関係を強化し、強制労働問題に対する認識を深め、課題解決のためのアプローチも向上させたと強調した。
同相はまた、バングラデシュ政府から「登録人材派遣会社数を現状の10社から2,000社に増加させたい」という要請を受けたが断ったと明らかにした。両国政府は1年近く労働者派遣に関して議論を続けてきたが、今の段階で門戸を大きく広げてしまうとマレーシアが外国人労働者の「ゴミ捨て場」になってしまう危険性があるため、この問題には慎重に取り組まなければならないとし、内閣に諮る必要があると述べた。
(ザ・スター、11月27日、ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、11月26日)