半導体産業協会、「最低賃金引き上げは従業員の4割に影響」

【クアラルンプール】 マレーシア半導体産業協会(MSIA)は、政府が5月1日付けで最低賃金を1,200リンギから1,500リンギに引き上げる決定を行ったことについて「産業界の意見を聞かず、非常に失望した」との声明を発表。電気・電子(E&E)産業における全従業員の40%が影響を受けることが明らになったと主張した。
 MSIAの調査によると、最低賃金が300リンギ上昇することで、従業員積立基金(EPF)や社会保障機構(SOCSO)、人的資源開発基金(HRDF)、雇用保険制度(EIS)などの拠出額、諸手当やボーナス、インセンティブなどを合わせると450リンギの上昇になる。
 E&E業界全体で最低賃金引き上げの影響を受けるのは59万人にのぼるとみられ、うち40%に対して最低賃金による人件費が月間1.1億リンギ、年間13億リンギの追加負担となる。さらに最低賃金以上をすでに受け取っている従業員との間にサラリー・コンプレッション(賃金差の不当な縮小や逆転現象)が生じる従業員が13万6,000人、比率にして23%に上ると推定している。
 MSIAは声明の中で、「業界への影響は非常に大きい。 価格設定において長期契約を結んでいる顧客にコストを転嫁することはできない」と指摘。「最低賃金引き上げは急すぎて競争力を維持するための賃金構造と生産性の向上を調整する十分な時間がない」としている。
 MSIAは今年3月、最低賃金引き上げを3年かけて分散して行うよう政府に提言していた。
(エッジ、4月28日)