日本への未熟労働者派遣、マレーシアの労働市場に貢献=髙橋大使

【クアラルンプール 】 在マレーシア日本大使館の髙橋克彦大使は、マレーシアと日本両政府が5月に締結した日本への未熟練労働者派遣に係る協力覚書について、日本でスキルを磨いて帰国した後にマレーシア人の未熟労働者がマレーシアの労働市場に貢献するようになるとの見解を示した。
髙橋大使は、労働者派遣に対し技術労働者の流出に繋がるとの懸念が出ていることについて、日本がマレーシアの労働力を吸収することにはならないと説明。基本的にはホスピタリティや農業分野で3ー5年間、日本で技能実習生として働いた後はマレーシアに帰国するとし、彼らが帰国した後にマレーシアに貢献することになるとした。
M.サラバナン人的資源相は5月27日、古川禎久法務相との間で、在留資格「特定技能」を有する外国人に係る制度の適正な運用のための情報連携の基本的枠組みに関する協力覚書を締結。両国が一定の専門性・技能を有する人材(特定技能外国人)の円滑かつ適正な送出し・受入れの確保(特に、悪質な仲介機関の排除)および特定技能外国人の日本国での在留に関する問題の解決等のための情報連携及び協議の基本的枠組みを定めたもので、サラバナン大臣は翌28日、熟練労働者の日本派遣に向けた合同委員会を設立すると発表したことから、熟練労働者の流出に繋がるとして製造業者などから懸念の声が出ていた。
一方で髙橋大使は、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大後、6月10日に日本が入国規制を緩和したことに触れ、両国の観光業が徐々に回復すると望んでいるとした。
(ベルナマ通信、6月28日)