最低賃金引き上げも賃金水準低迷、首相が失望表明

   

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は5月1日付けで1,500リンギに引き上げられた最低賃金が効果を上げていないことに失望を表明、雇用者に対して賃上げの必要性について真剣に受け止めて欲しいと呼びかけた。
 政府が運営している雇用ポータル「マイ・フューチャー・ジョブズ(MYFutureJobs)」の調査によると、7月1日の時点で全国の求人のほとんどが依然として月給1,200―2,000リンギの範囲にとどまっていたという。
 イスマイル首相は、政府がスキルを有し、高い生産性を持ち、可能性を秘めた国内人材の蓄積を図っているとした上で、雇用者が提示した給与額が労働者の有する資格や職務範囲に見合っていないことに少し失望していると言明。すべての雇用者に対し真剣に考えて欲しいと呼びかけた。


■最低賃金違反による告発ケースはまだ■
 一方、M.サラバナン人的資源相は25日の下院議会質疑の中で、最低賃金が引き上げられてからこれまでのところ、雇用者が法令違反で告発されたケースはないと明らかにした。
 サラバナン大臣は5月分の給与の支払いの多くが6月上旬だったことが要因だとした上で、施行されてから間がないため遵守しなかった雇用者に関する調査が徹底できておらず、立ち入り検査でのみ実施状況が確認されていると指摘。6月末までに3,049カ所の職場、2万452人の雇用者の検査を行ったと述べた。
 ただ半島部労働局では最低賃金に関する157件の苦情を労働者から受けており、うち118件が雇用者が最低賃金を守っていないとの告発だったとし、違反が判明すれば法的措置が取られるだろうと述べた。