改正雇用法で負担増大、経営者連盟が施行延期を要請

   

【クアラルンプール】 マレーシア経営者連盟(MEF)は、雇用法改正によって企業側の金銭的負担が年間1,109.9億リンギ増加するとして、9月1日に予定されている施行日を延期するよう政府に要請した。


 MEFの試算によると、▽残業代の対象が月給2,000リンギから4,000リンギに引き上げられることで808.7億リンギ▽労働時間が週48時間から45時間に短縮されることで268.8億リンギ▽出産休暇が60日から98日に延長されることで29.7億リンギ▽7日間の父親の出産休暇導入で2億7,500万リンギーーが企業の負担増になる。


 金銭的な負担増に加えて、雇用主は柔軟な勤務形態(FWA)、入院以外の病気休暇に加えて年間60日間の入院休暇、外国人労働者の申請に関する新しい手続き、労使関係法改正に伴う労働組合に関する規定の変更などの様々な変更に対処する必要がある。


 サイド・フセイン会長は、今年下半期の経済成長率が上半期のプラス8.9%からプラス5ー6%に減速すると予想されるとした上で、今後の厳しい経済状況に照らして、政府は改正法施行の延期を検討すべきだと言明。「新型コロナ感染拡大を封じ込めるために2020、21年に実施された行動制限令(MCO)により深刻な影響を受けた事業を回復させるための時間を与えられるべき」とし、一部の雇用主は5月に発効した1,500リンギの改正最低賃金ですでに苦境に立たされていると述べた。
(エッジ、8月17日)