インターン手当の義務化は当面ない=青年スポーツ相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 民間企業における学生インターンについて、ハンナ・ヨー青年スポーツ相は、現時点では企業に対しインターン生への手当支給を義務づけることは考えていないと言明した。


 政府が義務化を検討していると述べたと報じられたことについて、ヨー氏は「既存政策では民間企業は職業訓練プログラムに参加する学生インターンに手当を与える必要はない」と言明。ただ「企業側には政府の有給インターンシップ政策に倣って手当支給を検討するよう強く求めている」とし、義務化するかどうかについては更に様々な角度から検討する必要があると述べた。


 ヨー氏は16日、インターン生への手当支給の義務化の是非について高等教育省と人的資源省の両方で話し合う必要があると述べた上で、民間企業には手当を支給することが求められていると言明。ただ政府としても、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大後の経済回復途上にある今は時期的に適切でないことを認識していると述べた。


 この問題についてマレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、「義務化すればインターン生の受け入れを控える企業が出かねない」として、決定はあくまで雇用者の任意とすべきだとの考えを表明。その一方で、企業は任意でインターン生に手当を支払うことが望ましいのは明らかだとし、実際に支払っている企業は多いと指摘。「インターンを無給で働かせている」という批判に対して反論した。


 その上で、インターンシップは学生に役立つ貴重な業界経験を得る機会であるため、政府は手当を義務化するよりむしろ受け入れ企業に対するインセンティブを強化すべきだとした。


 MEFによると、大都市でのインターン生への平均手当は月額約1,200リンギで、1,000リンギ未満の企業もあるが、一部の大企業は1,200リンギ以上を支払っているという。