最低賃金、年内に1500リンギ程度に引き上げ=人資相

【クアラルンプール】 米国国土安全保障省は、強制労働に関与したとしてマレーシアのゴム手袋メーカー、YTYインダストリ【クアラルンプール】 M.サラバナン人的資源相は、現在1,200リンギとなっている最低賃金が年内に1,500リンギ程度までに引き上げられる見通しであることを明らかにした。
 マレー語紙「ブリタ・ハリアン」に語ったところによると、人的資源省は1,500リンギ以下を政府に提案したが、まだ内閣の承認を得ていないため最終的にいくらになるかは未定だという。サラバナン氏は一部の民間企業が率先して最低賃金以上の賃金を支払っているものの、新たな最低賃金はできるだけ早く実施する必要があると強調。引き上げは年内に実施したい考えだが、最終決定は内閣にあると強調した。
 最後に最低賃金が引き上げられたのは2020年2月で、「2011年国家賃金評議会(NWCC)法」では最低2年に1度見直すことが定められており、今年初めが見直し時期に当たっていた。
 1,500リンギという金額については、当初、世帯貧困ライン収入(PLI)に合わせて2,208リンギを要求していたマレーシア労働組合会議(MTUC)が、昨年末には1,500リンギに改めており、アワン・ハシム副人的資源相も国家賃金諮問評議会が1,500リンギとの答申を取りまとめたことを明らかにしていた。
 サラバナン氏の発言を受けてマレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、「新型コロナウイルス「Covid-19」からの景気回復モードに入っている企業を殺すことになる」と強く反発。特に全体の90%を占める零細中小企業(MSMEs)には人件費コストは致命的だと批判した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、2月5、6日)