「最低賃金は労働生産性にリンクすべき」中小企業協会

【クアラルンプール】 マレーシア中小企業協会(Samenta)のウイリアム・ン会長は、今年予定されている最低賃金の見直しについて、「合理的な引き上げには反対しないが、国内総生産(GDP)や労働生産性の伸びにリンクさせるべき」との考えを示した。
先ごろM.サラバナン人的資源相が年内に最低賃金が現在の1,200リンギから1,500リンギに引き上げられるとの見通しを示したことに反応したもので、ン会長は、ギグエコノミーなどポスト・新型コロナの世界経済の変化についていくためには、最低賃金ではなく労働法制の改革と生産性改善に焦点を当てるべきと主張。「最低賃金の合理的な引き上げには反対しないが、GDPと労働生産性の成長に合わせるべき」とした上で、マレーシアの労働生産性が2021年第3四半期に5.6%低下したことを挙げて、25%もの大幅な最低賃金引き上げ案に否定的な見方を示した。
その上でン会長は、中小企業をはじめとする多くの企業が成果型賃金システム(PLWS)に注目しているにもかかわらず「1955年雇用法」では依然として時間ベースとなっておりPLWS導入の障壁となっていると指摘。欧米のホテルのメイドを例に挙げ、時間でなく掃除した部屋の数に応じて賃金が支払われているとして、法制度改正が必要との考えを示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月10日)