従業員積立基金、昨年の配当率を6.10%に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 従業員積立基金(EPF)は2日、2021年度の配当率を従来型で6.10%、シャリア(イスラム法)準拠型は5.65%とすると発表した。新型コロナウイルス「Covid-19」流行前の5.45%、5.00%をそれぞれ上回った。配当額はそれぞれ504.5億リンギ、62.7億リンギで、総額567.2億リンギとなる。
高配当についてEPFは、新型コロナ禍にあって評価安の底堅い株に投資し、海外投資を活用する方向で投資ポートフォリオを見直したことが貢献したとし、収益全体の56%に貢献したと説明した。
2021年は拠出額から引き出し額を引いた純拠出額が20年ぶりにマイナス582億リンギとなったが、長期的な投資戦略において堅実かつ慎重な姿勢を堅持し、株式市場の回復に伴い2021年の投資益は670.6億リンギとなり、前年の634.5億リンギから6%増加した。
EPFのアハマド・バドリ・モハマド・ザヒル会長は、新型コロナで打撃を受けた加入者向けに引き出しが認められたことから2020年以降総額1,010憶リンギが引き出され、加入者の48%が預金額が1万リンギ以下になっているとした上で、高い配当と継続的な投資益の確保が、加入者の退職後の生活を支える貯蓄基盤の再建に寄与することになると述べた。