農園関連の11団体、最低賃金引き上げの実施延期を要請

【クアラルンプール】 5月1日より実施されることになっている最低賃金の1,500リンギへの引き上げについて、マレーシア国内にあるパーム油産業に関係する11の団体が連名で実施延期を求める声明を発表した。現時点での最低賃金は都市部で1,200リンギ、農村部では1,100リンギとなっている。
声明を発表したのは▽マレーシア農園所有者協会▽全国小規模農家協会▽サラワク・アブラヤシ農園主協会▽東マレーシア・プランター協会▽パーム精油業協会▽マレーシア油脂化学メーカー協会▽マラヤ食用油メーカー協会▽マレーシア・バイオディーゼル協会▽プランター社団法人▽サバ雇用者協議会▽タワウ農業組合ーーの11団体。
11団体は声明の中で、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大にともなう収穫減少や労働力不足、生産コスト上昇の中から回復途上にある農村部の農園業界にとって36%もの大幅な最低賃金引き上げは受け入れられないと主張。最低賃金引き上げは段階的に且つ透明性のある方法で、産業に影響を及ぼさないよう実施すべきだとした。
また業界は農薬や肥料、燃料コストの上昇に苦しんでおり、パーム油は他の食用油と競争関係にあるため賃上げなどの生産コストの上昇分を他の事業とは異なり顧客に転嫁するのが難しいと指摘。現在はパーム油価格が高水準にあるが、いったん下落すれば業界は深刻な不利益を被ることになるとした。
(ベルナマ通信、4月7日)