10月以降に事業閉鎖と失業の波が押し寄せる=SME協会
【クアラルンプール】 マレーシア中小企業(SME)協会は、政府が中小企業への援助を強化しない場合、10月以降に事業閉鎖と失業の波が押し寄せると警鐘を鳴らした。
マイケル・カン会長は、国内100万社のSMEのうち20ー30%が事業を閉鎖し、労働者300万人が失業するとの予測を示した。政府が講じたSMEの支援策は不十分であるとし、完全な見直しを要請。一例として賃金補助金の給付条件を取り消し、すべての人が利益を得られるよう予算を増やすべきと主張した。
また1日から申請を開始した零細企業向けの3,000リンギの特別給付については、従業員数が5人未満で且つ売上高が30万リンギ未満であるという条件を満たす必要があるため、約70万社のうち30万社だけしか対象にならないと指摘。さらに助成金が6月に支払われることについては、多くの零細企業が向こう1カ月間でさえビジネスを継続させる事が難しいため、手遅れであるとの見解を示した。
同協会が実施したアンケート調査によると、SMEの約60%が行動制限令(MCO)施行期間の収入がゼロであることが分かった。約30%は業況が回復した際に復活できるよう、損失を抑えるために1年以上操業を停止することを検討しているという。
標準運用手順(SOP)を厳守した上で営業を再開することについて、カン会長は「感染予防における責任を取る必要があるのは政府だけだではない」と言明。企業がSOPを遵守するための措置を講じる必要があると主張した。SOPを遵守しているか確認するため、企業内で委員会や担当者を設けるよう助言。SOPのガイドラインを社内に通知するだけでなく、従業員に感染リスクやSOPについて教育する必要があると言明した。
カン会長によると、一部のSMEでは余分な行動を避けるため、終業後に帰宅した事を示す証拠として写真を撮るよう従業員に求めているという。
(ザ・スター、ザ・サン、5月4日)