労働者住宅設備法、施行猶予期間に延長求める声

【ペタリンジャヤ=マレーシアBIZナビ】 労働者向け住宅の基準を改正した労働者住宅・設備法(第446法)が6月1日に発効するが、業界や産業関係者からは猶予期間の延長を求める声が上っている。
これまでは農園面積20エーカー以上のプランテーションと鉱業部門が適用対象だったが、改正により労働者に住宅を提供するすべての事業体に適用される。同法案は昨年7月に上下両院で承認され、9月に2020年6月1日から発行するとして官報に掲載されていた。M.サラバナン人的資源相は先ごろ、雇用者に猶予を与えるため本格施行は9月1日まで延期すると発表した。
マレーシア製造業者連盟(FMM)のソー・ティアンライ会長は、労働力と生産性を向上させるため長期的には良い決断であると言明。しかし、外国人労働者が非常に多いため、期間内に法改正の条件を全て満たすことは難しいと言明。外国人労働者の住居は新型コロナウイルス「Covid-19」のクラスタにもなっており、施行することは適時であると言えるが、標準業務手順(SOP)を遵守しながら準備を進めるには少なくとも6カ月は必要であると述べた。
マレーシア建設請負業者協会(MBAM)のフー・チェクリー会長は、大手の建設会社には住居の提供に問題はないが、新型コロナウイルスも流行しており、請負業者などにとり猶予期間内に準備するのは厳しいとの見解を示した。
不動産・住宅開発業者協会(REHDA)の会員であるコー・ブーンチュアン氏は、労働者への住宅提供に伴いかかった費用は最終的に不動産購入者に転嫁されることになると指摘。不動産の価格の上昇に繋がると述べた。
一方でマレーシア労働組合会議(MTUC)のJ.ソロモン事務局長は、新型コロナウイルスの感染拡大は外国人労働者の中で起きているとし、猶予期間を延長した政府に対して非難する声明を発表。改正法案は10カ月も前に承認されたもので、すでに猶予が与えられていたと苦言を呈した。