外国人労働者の新規雇用凍結、建設や農業セクターに影響

【クアラルンプール】 失業対策の一環として年内の外国人労働者の新規受け入れを凍結すると政府が発表したことを受け関係各方面から、建設やプランテーションなどの複数のセクターに影響を及ぼすとの懸念の声が挙がっている。
マレーシア経営者連盟(MEF)のシャムスディン・バルダン専務理事は、プランテーション、農業、製造、建設の各セクターが影響を受けると指摘した。特にプランテーションセクターにおいては、労働力不足により年間で1億4,200万リンギの損失をもたらすと予測。また人的資源の不足が物価上昇に繋がる可能性があるとの見解を示した。
製造セクターでは、需要が増加するグローブや個人用保護具(PPE)などの健康関連製品を手掛ける企業が、大規模な労働力を必要とするため打撃を受けると指摘。建設部門についても、大規模な工事が再開されることによって影響を受ける可能性があるとした。一方で経済活動および需要が減少しており多くの企業が事業を縮小していることから、12月までの外国人労働者の雇用凍結は問題にならない場合もあると述べた。一部の企業で、外国人労働者を解雇する動きも出ているという。
また業界関係者の間で、需要が低い別のセクターから外国人労働者を引き抜くことが検討されているが、これについてシャムスディン専務理事は、現行の政策では外国人労働者のセクター間における引き抜きは許可されていないと言明。外国人労働者への依存を減らし、生産性を改善するための自動化や技術が重要だとし、政府によるインセンティブや援助が必要だと述べた。
サンウェイ大学ビジネス・スクールのイア・キムレン教授も、建設およびプランテーションセクターについて、「きつい・汚い・危険」(3K、英語では3D)労働と見なされ、地元労働者の雇用が最も難しいセクターであると指摘。より高い給与と福利厚生を提供するために、政府によるインセンティブや支援が重要だとした上で、外国人労働者の新規雇用の凍結については、新型コロナの再拡大を防ぐため、公衆衛生の観点から必要であると評価した。
(マレーシアン・リザーブ、7月3日)