10月以降が企業にとって正念場、政府支援の終了で

【クアラルンプール】 失業率は4月は5.0%、5月が5.3%と悪化を見せているものの新たな失業者数は4月の16万8,300人から5月は4万7,300人に大幅減少している。良い兆候にみえるが、政府の賃金補助金の資金が底を尽きローン返済猶予がなくなる10月以降が企業にとって正念場になるとみられる。

消費が回復しない状況下でも企業はローン返済を再開しなければならず、企業にとって支出拡大を意味する。業界関係者の間で広がる、年末までに失業率が8%に上昇し、失業者数が200万人に達するとの悲観的な予想が現実味を帯びてくる。

マレーシア中小企業(SME)協会のマイケル・カン会長は、雇用が9月にかけて改善する可能性があるが、その後に待ち受ける大量解雇の防止に向け政府の関与が不可欠だと指摘。中小企業の売り上げは新型コロナウイルス「Covid-19」流行前と比べて50%程度に落ち込んでおり、9月までに70%に達しないようであれば10月以降の十分な資金を確保することができなくなるとした。その上で、さらなる失業者を増やさないためには少なくともローン返済猶予を年内まで延長すべきだと指摘し、商業銀行の返済猶予の申請処理が3、4カ月もかかっているため政府が圧力をかけてスピードアップを図る必要があるとした。

マレーシア経営者連盟(MEF)のシャムスディン・バルダン専務理事も同様で、「5月に新規失業者数が減ったとのデータは誤った安心感を与える可能性がある」とし、「10月から雇用者は自立しなければならなくなるが、問題はそれが可能かどうかだ」と述べた。また新たに約50万人の大学卒業者が労働市場に入ってくるため、失業率がさらに悪化する可能性があり多くのマレーシア人がギグエコノミー(インターネットを通じて単発の仕事をこなす働き方及びそれに基づく経済)への移行を強いられる可能性があると指摘。ローン返済猶予を含むあらゆる支援を年末まで延長すべきだとした。

(ザ・サン、7月16日)