マレーシアの失業率は実際には5%超、カザナリサーチが指摘

【クアラルンプール】 マレーシアの失業率は統計では5%程度と示されているが、カザナ・リサーチ・インスティチュート(KRI)のエコノミストは実際にはそれ以上の水準になっているとみている。
 ヌングサリ・アハマド・ラディ前会長は、労働参加率は70%未満であるとして、それを踏まえると失業率は30%となると指摘。新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴いさらに失業率は悪化する可能性があるとの見解を示した。労働市場に参加していない人々を保護するためにセーフティネットを構築する必要があると強調。雇用の需要と供給のバランスを取ることが必要との見解を示した。
 ジョモ・クワメ・スンダラム上級フェローは、新型コロナの流行により、世界経済システムでは「脱グローバル化」や「スローバリゼーション(グローバリゼーションの減速)」が起きる可能性があると予想。発展途上国の失業率は新型コロナから打撃を受けていないが、自動化推進により新規雇用は減っているとした。安く労働者を雇用できても、コスト削減のたえに企業は自動化を進めているという。
(マレーシアン・リザーブ。10月13日)