「社内研修」を目的とした異動?〜誘導的解雇か

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ラハユ・エズラニ・アブドラ・ラーマン氏
VS
K&N クナガ

判決日: 2004.03.11

概要

原告のラハユ・エズラニ・アブドラ・ラーマン氏(以下R氏)は、「取引業者の代 表者」の資格を持ち、その見習いとして入社。本来の仕事とは関連のない部署へ異動させられたことから、誘導的解雇を訴えた。

R氏によると、入社からまもなくして、会計課へ異動させられ、そこで事務の仕事を与えられた。これを不服としたR氏は、会社に対して書面にて、従来のポジションへの復帰を要求。また手紙の中で、要求が受け入れ てもらえない場合には、誘導的解雇を訴えると主張した。

会社はこの手紙に対して、異動は契約違反行為ではなかったとし、従来のポジションへの復帰は不可能であると返答した。これを受けてR氏は会社を去り、誘導的解雇を訴えるに至った。

一方会社側は、 R氏の異動は「社内研修」の一環だったと説明。会計課における仕事は事務ではなかったこと、またR氏には以前、「空売り」を生じさせる深刻な不正行為があったことから、 別の部署における研修が必要だったと主張した。

判決

不当解雇

裁定内容

(1) R氏の異動理由として、「社内研修」に関する情報がR氏に伝えられた証拠は無い。また、スケジュール表など、R氏の「社内研修」が行われた証拠も無いため、同研修の事実は無かったとみなされる。

(1a) 正当な理由も無く、被雇用者に対し従来とは異なった仕事を与えることは、会 社の契約違反行為である。従って、R氏には誘導的解雇を訴える権利があることが立証される。

(2) 原則として、誘導的解雇を立証するためには、会社の契約違反行為があってから、 間もなく訴えを起こさなくてはならない。

(2a) R氏の場合、会社に対して異動に関する説明を何回にもわたって求めたが、その間会社からは返答が得られなかったため、訴えの遅れはやむを得なかったとみなされる。

(3) R氏の退社後、会社は数回にわたって、R氏に会社へ復帰するよう書面にて要求したが、その手紙にはR氏の退社理由だった「誘導的解雇」の件に関して、一切触れていない。会社は、R氏の言い分を知りながらも、それを無視し続けたとみなされる。

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