不況による減給 〜承諾しない社員への退職勧告は違法か?

  1. Home
  2. Knowledge Base
  3. 判例
  4. 給与・手当
  5. 不況による減給 〜承諾しない社員への退職勧告は違法か?

アン・チェンポー氏
VS
ノースマレーシア・ディストリビューターズ

判決日: 2001.09.29

概要:

アン・チェンポー氏 (以下A 氏) は、スペアパーツ担当マネージャー。A氏は会社より減給を提案された。A氏が提案に応じないと、辞職を要求された。その後、A氏が知らない間に職場の鍵が替えられ、職場を一時的に閉鎖すると告げられた。これに抗議すると、上司より冷却期間を置くべく有給休暇をとるよう勧められ、休暇をとった。 休暇後、A氏はワークショップ・アシスタントに配置転換となったが、会社はA氏に仕事を与えず、その上一方的にA 氏の減給を実行。A氏は会社に質問状を送って、会社の意図を質問したが回答はなく、A 氏は退職した。

これら一連の会社の仕打ちについてA 氏は、減給提案を拒否したための嫌がらせだと主張。実質的な解雇であるとした。

一方、 会社側は減給が会社の経営危機によるやむを得ないもので、A 氏以外の社員すべてが同 意していると主張。鍵の取り換えは、A 氏が有給休暇をとっていて鍵が開けられなかった為に取り換えたもので、他意はないとした。配置転換については、減給提示を聞かされた際にA氏側が求めたものだと主張。

A氏は質問状を会社に送った後、会社が回答する前に出社をやめており、これは雇用法 15 条(2)に基づく、雇用契約の破棄に該当する 2日以上の無断欠勤であると主張した。

判決:

実質的な会社の雇用契約違反

裁定内容:

(1) 争点は A 氏の辞職が実質的な解雇だったのかという点。A 氏は会社の仕打ちによって雇用契約を破棄せざるを得なくなったことを証明せねばならない。被雇用者は、 雇用者が雇用契約を破ったか、あるいは契約を継続する気がない意思表示をしたことを証明しなければならない。それによりはじめて被雇用者は解雇されたとの認定を受けることができる。

(2) 会社による一方的な給与カットについては、A 氏は同意しておらず、一方的な措置であり、明らかに雇用契約違反である。

(3) A氏は 23年もスペアパーツ部門で働いており、年齢も70歳近く、新しい職場を希望したとは思えない。A 氏の異動は状況からみて給与カットに応じなかったことに対 する懲罰的なものといえる。

(4) A氏は過去休暇の際に鍵を上司に預けることを常としており、今回の休暇に際し ても鍵を持っていれば預けただろうことは想像できる。会社が鍵を取り換えたのは、 数々の証拠によって A 氏が休暇をとる直前だったことは明らかで、これはまた、A 氏がすでに給与カットへの不満を表明し、会社によって辞職願を出すよう求められるなど、 両者の関係が悪化していたことの裏付けとなる。

Was this article helpful?