他社との兼業による実害の証明〜 社則より優先されるか?

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イルハミ・モハマド氏
VS
セルラー・コミュニケーションズ・ネットワーク(M)

判決日: 2001.01.31

概要:

イルハミ・モハマド氏 (以下I氏) は、通信関連会社C社のサービスセンター責任者。

会社は、I氏が以下2点を問題視。

(イ)会社の了承もなくC社と競合関係にあるJ社のマーケティング・マネージャーを兼任しており、C社の利益を損ねた。

(ロ) J社の名刺に連絡先としてC社の電話番号を記載していた。

名刺の件は、従業員ハンド ブックにも載せている会社の就業規則に違反するものだと主張した。

一方I氏は、J社への関わりが、C社を退社した後の時間に限定されており、またJ 社にアドバイスするだけの役割しか果たしていないと反論した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1~2) 法律で定められている利益や規則、忠誠における (複数の会社間の)競合に 対する規定は、被雇用者の利益と雇用者の利益の間で発生するであろう競合の回避にある。(イ)の件については、I氏のJ社への関与が、現存するあるいは潜在的であるに関らず、また直接・間接に関らず、C社との間に利益に関する競合状況を作りだしたとい う、納得できる証拠はない。I氏のJ社における役割は、本質的にアドバイザーである。

(3) I氏がJ社に籍を置いていた期間を通して、I氏はJ社に2回しか電話をかけていないという事実は、I氏のJ社へのかかわりがさらに強まっていくどころか、はっきりしない、あやふやなものであったことを示している。C社は、I氏がC社の資産(会社から支給された携帯電話)をJ社のために用いたと指摘しているが、たった2回であり、ささいなことである。

(4) I氏が、J社に関与したことでC社における業務に支障をきたしたという証拠はない。またI氏の勤務への苦情があったという事実もない。

(5) (ロ)の、J社の名刺にC社から支給された携帯電話番号を記載していたことが就業規則に違反するとの訴えについては、本質的に (イ)と分けて論じられるべきである。

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