任務内容の変更は誘導的解雇とみなされるか?

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タン・カイヒン氏 
VS 
プロテック・エンジニアーズ 

判決日: 2000.02.21

概要:

原告のタン・カイヒン氏(以下T氏)はプロジェクトマネ-ジャ-として、2件 の主要プロジェクトを担当。その他会社の様々なプロジェクトにおける、社外への人材 仲介を任されていた。休暇を終えて出勤したT氏は、そのうち1件のプロジェクト (MNIプロジェクト)のファイルが無くなっているのに気付き、Managing Director にその返却を要求したが、会社はこれを拒否。T氏の人材仲介に関する契約が、公正 に行われていなかったと指摘したうえで、人材仲介に関する外部との取引を一切中断し、 MNIプロジェクトから降りるよう指示した。

その後、会社は社内調査の実施を試みたが、 T氏はその出席を断固拒否。会社の取った行為は、会社内部及び外部においてT氏に汚 名を着せるものであったとし、誘導的解雇を訴えた。

なお、オペレ-ションマネ-ジャ -の証言によると、以前よりT氏は取引先と契約を結ぶ際、事前にその契約書を会社に 提出すること、またあらゆる契約を人事部長を通して行うよう指示されていたが、T氏 はこれに従わなかった。これについてT氏は、取引先の1社である BWM社とは既に包 括的な契約が結ばれていたことを理由に上げたが、会社側は、BWM社との契約はあくまで補助的なものであったと主張した。

判決:

原告の申し立ては却下

裁定内容:

(1) T氏は外部のあらゆる人材に関して、会社の上司に報告する義務があった。それ は文書によっても明確に指示されていた。

(2) BWM 社との契約は、必要が生じた時のみ人材を派遣するという内容のものだっ た。T氏は「包括的契約」の意味を取り違えていた。

(3) 会社が取引先にプロジェクト・マネ-ジャ-の変更を通知したのは当然のことで ある。通知文書には、T氏の名を汚すような内容は一切含まれていなかった。

(4) 会社はT氏とのトラブルを解決しようと社内調査の実施を試みた。つまり会社は T氏の説明を聞く態勢を取っていたにもかかわらず、T氏はこれを拒否した。

(5) MNI のプロジェクトからは降ろされたものの、T氏は依然としてもうひとつのプ ロジェクト・マネ-ジャ-であった。被雇用者は全ての任務を失って初めて、誘導的解雇を訴えることができる。

(6) 会社側には、T氏との雇用契約を解除する意思は全く無かった。T氏の退職は自らの意思によるものであった。

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