会社が合併〜人員削減を理由とした解雇は正当か?

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ジェームス・リム・ヒーメン氏
VS
ペンカレン・ホールディングス

判決日: 2000.07.11

概要:

原告のジェームス・リム・ヒーメン氏 (以下J氏) はビジネス開発マネージャーとして勤務。会社がMUIグループに吸収合併される際に、余剰人員を理由に突然解雇された。

会社によると、この合併は会社の赤字を最小限に食い止めるためやむを得ないものであり、これに伴いJ氏の勤務していたサバ支店を含め、いくつかの支店の閉鎖を余儀なくされた。十分に事前な告知も無しにJ氏を解雇したことに関して会社は、サバ支店の閉鎖が急に決定したこと、及びJ氏の勤務経験はサバ支店でのみ通用するもので あったことから他の支店への移転が不可能であったことを主張した。

一方J氏は、サバ支店閉鎖後も別の支店においてJ氏の経験を生かせるプロジェクトが存続していたことから、解雇は不当であったと主張。また解雇が事前に告知されなかったことから、会社の取った処置は雇用契約違反であると訴えた。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 雇用者は会社の利益の追求のために組織改編を行う権利を有する。

(2) 事業の縮小により、組織間もしくは組織内における部署が合併し、その結果として組織改編が必要となった場合、それに伴ってある職(ポスト)が失われ、その職務内容が別の社員に引き継がれるケースがありうる。また、部署内における仕事量の減少により、ある職務内容を別の社員に引き継ぐことによって、社員数が減らされることもありうる。いずれも会社の経営を上向きにすべく、能率アップのために必要とされる手段とされる。

(3) MUI グループとの合併により、J氏の勤務していたサバ支店が閉鎖されたことは証明された。J氏の解雇に至った余剰人員の実情は立証された。

(4) 会社は、人員削減をやむを得ず行う場合、その対象となる被雇用者に対して失業手当等を支給しなくてはならない。

(5) J氏の解雇に関して、会社は事前に余剰人員の実情をJ氏に説明しなかった。また失業に対する賠償金を支払わなかった。これは会社の契約違反に相当する。

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