会社オーナー交代〜これを理由に解雇できるか?

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レニ-・リム・チュ-ホワン氏
VS
MS インダストリーズ

判決日: 2000.01.31

概要:

原告のレニー・リム・チューホワン氏 (以下L氏) は、会社の所有権譲渡をきっかけとした組織編成にともなって解雇された。また会社は裁判において、解雇の理由に以下の2点を挙げた。

▽ 面接の際に提出されたL氏の職務経歴書に偽りがあったこと
▽「入社したあかつきにはある取引先2社との売り上げを回復させる」とL氏が発言したにもかかわらず、その約束を果たさなかったこと

一方L氏側は、裁判にあたっては解雇通知に記載されている事柄のみを、解雇の理由として取り上げるべきであると主張。解雇時において、会社の所有権が変更されていなかったこと、またL氏を除く全社員が、 会社側の主張するところの「オーナー交代」以降も、従来通りの勤務を続けていたことを主張した。また勤務成績の不良に関しては、L氏の担当したある1社に関する年報を 提出、取引高がアップしていることを指摘した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 会社の所有権譲渡をきっかけとした組織の編成を理由とした解雇は不当である。しかも今回の場合、原告側の行った調査結果により、所有権の譲渡自体が行われていな かったことが立証された。

(2) L氏の成績不良を立証する証拠は全く無かった。

(3) 職務経歴書上の偽りに関しては、解雇通知及び申し立て文書の中でも触れられていなかった。以前勤務していた会社における給与額等を多少偽って記入することは、解雇の理由として挙げるほど重大な罪であるとは思えない。しかもL氏は、以前より社長から入社を誘われていた。

(4) 以上の内容により、原告の解雇は不当であったと判断できる。L氏が職探しをしていたため、今回は解雇から2年が経過してからの裁判となった。会社はこの間の給与を賠償しなくてはならない。L氏の勤務期間が1年未満と短かったため、それ以上の賠償は必要ではないと思われる。

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