会社備品の勝手な持ち出し〜 解雇に相当する不正行為か?

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カー・サンドゥラン・ネール・ラトナム氏
VS
I-Berhad

判決日: 2001.08.30

概要:

カー・サンドゥラン・ネール・ラトナム氏 (以下K氏) は、塗装セクションにおける製造ラインの副責任者。

K氏は、それが違反であることを承知していながら、私用で塗料を混合するためにシンナー1.5 リットルを許可なく持ち出したとして、規則違反を問われて解雇された。

K氏は、シンナーは制服についた塗料のしみを落とすために使ったものだと主張。解雇は不当だと訴えた。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 証言や証拠からみて、K氏が持ち出したシンナーは衣服のクリーニング用であり、 塗料を混合するためではない。

(2) 従業員らは塗料による制服や器具、手指の汚れを落とすため工場内で日常的にシ ンナーを使っていた。K氏の制服のしみはひどく、K氏が自宅でしみを落とそうと考えシンナーを持って帰ろうとしたという主張は合理的である。K氏が会社の資産を使ったことは否定しがたいが、それによる会社の損失は微々たるものであり、また制服のクリーニング用途である以上、私的な流用とはいえない。

(3) 会社は解雇に当たり、K氏の行為が窃盗に当たる犯罪行為であるとは主張せず、 会社の規則違反に当たると主張しているが、裁判における訴えに当たっては逆に、K氏の規則違反をとがめるのではなく、暗にK氏の行為が犯罪行為に当たるとほのめかして いる。この場合、K氏の不正行為の原因となる不正の意図があったことの証明が不可欠であるが、会社はそうしたことを行っていない。

(4) 警備員に呼び止められた際、もしK氏がシンナーの瓶を隠し持っていたならば、 また違った事態となっていただろう。すなわち不正の意図があったことの表れであったということになる。しかしK氏は、シンナーの瓶をおおっぴらに手に持ったまま持ち出しており、ここには不正行為を隠ぺいしようとした意図は見えない。

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