円滑な業務運営のための行為〜規則違反が問えるか?

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アディ・ネガラ・カマルディン氏
VS
コンナス・マリタイム・サービス

判決日: 2001.01.26

概要:

海運会社でマーケティング・マネージャーを務めるアディ・ネガラ・カマルディ ン氏 (以下K氏) は、リッポワク・シッピング(LS)が所有船舶をドック入りさせることに関するジョホール・ポート宛ての書類にサインした。

会社は、LS 社と会社が何の関りもないにもかかわらず、あたかも LS 社の代表者であるようなK氏のこうした行為は身分詐称に当たると糾弾。会社の証人であるK氏の上司も、K氏が LS 社の代わりにサイン する許可を与えていないと証言した。

また別件では、K氏がミルポール・デベロップメ ント・コープ(MDC)発行の小切手を会計に渡したが、その後K氏は MDC社の口座が 残高不足で小切手が落ちないことから、MDC社に小切手を発行し直してもらうため、す でに渡した小切手を返して欲しいと要求。

会計はK氏に小切手を返し、会社はK氏にMDC社から小切手の再発行を受けるよう求めたが、K氏はこれを実行しなかった。会社はK氏が責任を果たさなかったと主張し、K氏が規定に違反したとして解雇の正当性を強調した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 会社はK氏が身分詐称をしたとの証拠を示せなかった。K氏が詐欺行為を行ったというのは推測の域を出ていない。

(2) 会社はK氏の書類へのサインに許可があったのかどうかを知りうる立場にある LS 社および MDC 社のオーナーを証言させるべきだったが、会社はこれを行わなかった。

(2a) 会社は、K氏の行為によってK氏が個人的に利益を得る立場にあったと証明できなかった。反対にK氏は、会社の業務を円滑に行うための行為だったと主張している。

(3) また小切手処理の件については、K氏がマーケティング以外にも会計の責任者も兼任していたという証拠を示していない。すなわちK氏には会計業務の責任がないことから、たとえK氏が小切手を返すように会計係に頼んだとしても、その会計係がそれを受け入れなければならないことはない。また会社は、K氏が発行し直した小切手の入手を求められ、それがK氏が MDC 社に小切手を返した後だったということを証明できなかった。

*
LS 社の書類にサインした件については、LS 社側からK氏に依頼があったかどうかの証拠が不十分なため、法廷はこれに関する判断を保留。ただK氏個人の利益のための行為ではないと認定した。また小切手の問題はK氏の管轄外のことであると認定し、K氏が 関与したことが事実だとしても責任を追及して解雇にすることはできない。

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