出産直後の異動命令〜誘導的解雇にあたるか?

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ゴーホイ・ニン氏
VS
ヨンミン・インダストリアル・パーツ

判決日: 2003.07.12

概要

原告のゴーホイ・ニン氏(以下G氏)は経理担当者として勤務。異動命令を拒否したことを理由に誘導解雇されたとして訴えた。G氏の証言によると、出産休暇から戻って来て間もなく、バタワース支店から KL 本社へ異動するよう指示を受けた。しかし、出産直後ということもあり、家庭の事情からKL へは通勤出来ないとするG氏に対し、会社はG氏が3カ月にわたる休暇中の仕事の遅れを早急に取り戻さなかったため、 G氏の仕事に対して不満であると説明した。

G氏は会社が異動を理由に自分を強迫し、 退職へ追いやろうとしていると感じたため、自ら退職を選び誘導的解雇を訴えた。

一方会社側は、G氏の異動はトレーニングを目的としたプログラムであったと主張。退職へ追いやる意図など全く無かったとして、正当性を訴えた。

判決

会社による誘導的解雇と認定

裁定内容

(1) 被雇用者が誘導的解雇を立証するためには、以下の4点が証明されなくてはならない。

  1. 会社が雇用契約に違反する不正行為を行った。
  2. その不正行為は、被雇用者が辞 職を選ばざるを得ないほどに深刻であった。
  3. 被雇用者が辞職を決意するにあたって、いかなる別の理由は介在していなかった。
  4. 会社による不正行為の後、被雇用者はただちに辞職を実行した。

(2) 幼い子を持つ社員にとって、通勤に数時間もかかる職場への異動が不可能に近い ことは、常識的にも判断できる。

(3) G氏をトレーニング目的でKLに送り込むという事は、G氏に伝えなければならない重要事項である。しかし命令書には、「トレーニング」の替わりに「異動」と記されており、また異動が一時的であることもほのめかされていない。

(4) 異動命令書は、G氏による異動への異議や異動延期の申し立てを一切許さないも ので、文調からみて会社が明らかにG氏を強迫していたことがうかがえる。

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