勤務態度不良を理由に上司から侮辱〜誘導解雇は立証されるか?

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リー・コクスワン氏
VS
ウォルター・ライト・マモエット(マレーシア)

判決日: 2000.03.03

概要:

原告リー・コクスワン氏 (以下L氏) は総務秘書として採用された。就職から8 年間にわたってL氏の勤務態度には何の不満も聞かれなかった。しかし上司が変わってからというもの、L氏はこの新しい上司 (以下K氏) からたびたび勤務態度の不良を理 由として不合理な扱いを受けるようになった。

L氏の証言によると、L氏が無能であるという趣旨のメモが与えられ、またセクハラとみなされる発言もあった。同会社に勤務していたL氏の妹の勤務内容に不満を感じたK氏は、両者に対し「姉妹は職場を同じくすべきではない」などとして、いずれかを退職させようと試みた。この一連の行為に耐えられなくなったL氏は出勤を拒否。L氏の行為が誘導的解雇にあたると訴えた。

一方会社側は、L氏の勤務態度不良及び社交性の欠如を主張。しかし、裁判当日にK氏は欠席。以前の上司が証人として立ち会った。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) K氏が上司となる以前の8年間、L氏の勤務態度及び性格に関する不満は一度も聞かれなかったことは、L氏の元上司によって証明された。

(2) 女性の被雇用者に対し幹部の人間と性的関係を持つよう要求することは、紛れもないセクハラ行為であり、また雇用契約違反である。

(3) 別の就職口を探すための有給休暇を与えると提案することは、その被雇用者に辞職を促していると解釈される。これは会社側の雇用契約違反行為であり、また被雇用者に対する侮辱的な行為でもある。L氏が出勤を拒んだことは理解できる。

(4) 雇用者と被雇用者間の相互理解及び信頼関係は、雇用上の必須条件である。これがK氏の言動によって損なわれたことは明らかである。

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