勤務時間中の個人ビジネス〜会社の主張は証明されるか?

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リム・ムイリン氏
VS
アサヒ・インダストリ-ズ(マレーシア)

判決日: 2000.06.13

概要:

原告のリム・ムイリン氏 (以下L氏) は事務員の研修社員として採用。その後13年間に渡って何度も昇進を重ね、解雇当時にはシニア・マネージャーとして月額4,407 リンギの給与を受けていた。

しかし社内調査の結果、いくつかの不正行為を理由に突然解雇された。解雇の主な理由は、勤務時間中にL氏個人の経営するビジネスを行ったことで、しかもそれが会社との間に利害の衝突が生じていたという。これに対してL氏は全面否定。いくつか挙げられた具体的不正行為は、会社の部下にもあたるL氏のビジネ ス・パートナーによって行われたと主張した。

判決:

解雇は正当

裁定内容:

(1) 告発1:会社の勤務時間を利用して個人のビジネスを行った件

原則的に、給与を受けて勤務する被雇用者は、その勤務時間を全て雇用者によって与えられた義務をまっとうするために使わなくてはならない。それ以外の目的を持って利用することは、明らかな不正行為とみなされる。L氏は、会社の運転手を利用して自らの顧客に商品を配達したことを認めた。

(2) 告発2:会社の許可を得ることなしに、L氏のビジネスで手掛ける商品を会社内 に保管していた件

ビジネス・パートナーによる行為であり、その事実すら知らなかったとL氏は全面否定したが、ビジネスの株主であるL氏が、商品の保管場所すら感知しないというのは、明らかに矛盾した証言である。

(3) 告発3:自らのビジネスで手掛ける商品を会社に売っていた件

L氏は、掃除用品他、会社で必要な様々な物品の購入を担当していた。そこでL氏は自らのビジネス商品を会社に売っていた。同時に買い手と売り手の立場に立つことは、利害の衝突を起こす行為である。これに関してもL氏は、パ-トナーの行為によるものであると主張したが、却下された。

(4) 被雇用者と雇用者の間に介在すべきである信頼関係が損なわれた場合、雇用者にとってその不正行為を行った被雇用者を会社に留めておくことは大変難しい。L氏は会 社内でも責任のある立場であり、会社の利益を守る義務があった。しかし、その立場を利用して自らの利益を得ていたL氏の行為は、かなり深刻な不正行為であった。

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