勤務時間中の無承認の私用行為〜処罰としての解雇は適当か?

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セリオン・リンバイ氏
VS
カイミン・プレス

判決日: 2000.12.21

概要:

セリオン・リンバイ氏(以下S氏)は梱包&発送員。S氏は、商品配送に出たまま私用のために夕方まで帰社せずに叱責を受けることがたびたびあり、3月11 日には人事課マネージャーの許可なく休みをとった。

S氏が再び夕方まで帰社しなかった同20日、会社はS氏を叱責し、理由を問いただしたが、S氏は、そんな些細なことでどうし て自分を責めるのかと反論。会社は、S氏が会社にいなかったのにもかかわらず、タイムカードの退社記録が夕刻になっているなど、再三にわたり出勤記録に不正を行ったとしてS氏を解雇した。

これに対しS氏は、社長に呼ばれ、会社の経営が思わしくないのを理由に退職を求められたと主張。3月11 日の欠勤については、工場のマネージャーに承認を得たと反論した。また3月 20 日午後の外出については、病気の娘を病院に連れていったためだとした。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 3月11日の有給休暇について、S氏は工場マネージャーの承認を得ている。人事課マネージャーの役割は形式的なものであり、工場マネージャーはS氏が休暇をとって も操業に影響ないと判断しうる最適な立場にある。

(2) 会社は、S氏が 20 日午後に無断で外出したことを証明したが、S氏は夕刻タイム カードを押しに会社に戻っており、S氏の主張する理由 (娘を病院へ連れていったこと) は理解できる。とはいえS氏は娘を病院に連れていくというきちんとした理由がありながら、どうして申請を怠ったかということについて納得できる説明を行っていない。

(3) S氏は、20 日の無断外出が娘の病気という理由があったとしても違法であったことを認めている。S氏は、判りのいい経営者ならば了承したであろう今回のような事情であっても、上司に申請せねばならないということをまったく気に留めていなかった。

(4) S氏のタイムカードは、午後5時以降に押されたことを示しており、S氏が商品配送後会社にいなかったという証拠にはならない。会社がS氏と行動を共にしていた同僚A氏のタイムカードを証拠として提出しなかったことは会社にとって不利であり、S 氏が常習的に無断外出をしていたという確たる証拠を提出できなかった。

(5) S氏は会社に数年間勤めているが、その間会社はS氏の勤務態度に厳しい目が向けられていたとはいえない。S氏の違法行為については、解雇とは異なる別の罰則こそがふさわしかった。

(6) S氏は、タイムカードの出退社時間の記録の重要性に関して軽視しており、むしろ職場における規律の重要性に無頓着であった。したがって、S氏へ支払われる慰謝料の40%は相殺される。

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