匿名の手紙〜上司に対する無礼な行為は正当化されるか?

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ザハリア・アザリ氏
VS
コミックス・ランド

判決日: 2000.08.12

概要:

原告のザハリア・アザリ氏 (以下Z氏) は雑誌編集長の研修社員。上司に対して無礼な手紙を出したことを理由に解雇された。

ある日社長室の机の上に、会社の経営方針を軽蔑的な言葉を用いて批判する内容の匿名の手紙が見つかった。またその手紙には、ラマダンの期間中におけるイスラム教徒の勤務時間を変更すべきであるとの強い要請が述べられていた。

社内調査の結果、これはZ氏の書いたものであることが判明。Z氏はそれを認め、会社はZ氏を即時解雇した。これに対しZ氏は、手紙には いかなる悪意も込められてはいなかったと主張。手紙は単なる意見書であり、この行為によって解雇されるのは不当であると訴えた。

判決:

解雇は正当

裁定内容:

(1) 試用期間中であっても、すべての被雇用者は一社員として上司に対して敬意を払 うべきである。試用期間とは、被雇用者が正式な社員として承認されうるかが試される期間であり、Z氏の行為はその評価の対象としてみなされるべきである。

(2) 常識的に判断して、手紙は善意を持って書かれたものでないことは明らかである。 筆者であるZ氏自身も、何度も軽蔑的な表現を用いたことを認めている。

(3) 手紙の中でZ氏は、イスラム教徒の社員を代表していると述べている。これは虚述である。社内において誰ひとりとしてZ氏に手紙を書くよう要求したものはいない。

(4) ラマダン期間中の勤務時間を短縮することは、既に会社の契約書の中で述べられ ている。

(5) 学士号を持ち、編集長となるべくして勤務していたZ氏は、その立場をわきまえるべきである。たとえ会社に対して不満があったとしても、軽蔑的な匿名の手紙を出すなどせずに、同じイスラム教徒である直属の上司に相談するなどの手段を取るべ きである。

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