和解後の不当解雇の訴え〜「禁反言」に抵触するか?

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ラーマン・ビディン氏
VS
スリ・アンダマン

判決日: 2001.01.31

概要:

ラーマン・ビディン氏(以下R氏)は下級速記者。会社はR氏の勤務成績が思わしくないことと、常習的遅刻であることを理由に解雇された。

会社は、解雇の1カ月以 上前からR氏に口頭で注意をしたが、改善がみられなかったと主張した。また会社は、 R氏との間で解雇問題が持ち上がった際、労働法廷での仲裁でR氏がこれ以上訴えを続けないことを条件に金銭を支払うことでいったん合意しており、R氏が会社に対して訴えを起こしたことが、後になって前と反対の申し立てをすることを禁止する「禁反言」 に抵触するとして訴えの無効を主張した。

これに対しR氏は、会社が主張しているR氏の勤務成績の不良に関し、なんら事前の警告を受けていなかったと真っ向から反論。解雇を不当だと訴え、復職を求めた。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 被雇用者の勤務成績不良を理由とした解雇を正当化するに際して雇用者は、会社がその被雇用者に対して事前に十分な警告をおこない、被雇用者が十分な改善期間を与えられ、かつ被雇用者が十分に改善できなかったと立証しなければならない。

(2) R氏は、勤務成績の不良について会社より口頭あるいは文書によるいかなる事前警告も与えられていない。また会社が主張しているR氏の遅刻についても、会社側証人の証言あるいは関連文書といった証拠は提出されていない。

(3) 産業法廷では公平、良心および実質的なメリットをかんがみて裁かれるべきとする判例からみても、「禁反言」のような裁判上のテクニカルで形式的問題が、労使問題の裁判において適用されないことは当然である。労働裁判所におけるR氏の主張および会社との和解の内容と本法廷におけるR氏の復職の請求とは、切り離して考える べきである。

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