売却された元姉妹会社への異動命令〜雇用契約は譲渡か破棄か?

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リー・ムンチョーン氏
VS
アマルガメイテッド・プロパティーズ&インダストリーズ

判決日: 2000.11.21

概要:

リー・ムンチョーン氏 (以下L氏) は、U社傘下のアマルガメイテッド・プロパ ティーズ&インダストリーズ (以下A社) 社員。L氏は同じU社傘下で姉妹会社に当た るF社への異動を命じられた。

一方、時を同じくしてU社によるF社のE社への売却交渉が進められていた。 L氏は、L氏の異動通知が発せられる前にF社のE社への売却が成立しており、L氏の同意なしにL氏のA社における雇用契約のE社への譲渡があったと主張した。

判決:

異動命令は実質的な解雇であり、不当である。

裁定内容:

(1) もしL氏の異動がU社グループ内で行われたのであれば、異動は合法的であり、 雇用者はそうした異動を命じる資格を持っている。またこうした状況下でF社の経営権がE社へ譲渡されていたのであれば、E社がL氏の新しい雇用者となる。

(2) F社への異動命令が発令された時、U社およびA社が事実上のL氏の雇用者であったことは疑う余地はない。L氏への給与の支払いや、所得税の記録より明らかである。

(3) A社が出したL氏のF社への異動通知には、E社がU社よりF社を購入したことを明記している。L氏は、E社に売却されて権益を失った系列会社への異動を命令されたのだから、L氏の雇用契約が旧雇用者であるA社 (ないしU社) から新たな雇用者で あるE社へ移ったものと判断される。法律では、新しい雇用者との雇用契約作成についてL氏の同意を得なくてはならないと定めている。

(3a) 雇用者が変わることをL氏は同意しておらず、E社によりすでに買収されていたF社にL氏を一方的に異動させる権限を、U社およびA社はすでに喪失している。すなわち、これはU社およびA社による、理由の伴わない雇用契約の一方的な破棄であるといえる。

(4) もしL氏の異動を実行していなければ、L氏が余剰人員になっていたというU 社の主張は不確かなものである。もしそれが事実なら、会社はL氏が会社の主張に反論した時点で根拠を示すべきだったが、実際には示されていない。

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