定例夕食会の廃止〜労働者既得権益の侵害か?

  1. Home
  2. Knowledge Base
  3. 判例
  4. 雇用契約
  5. 定例夕食会の廃止〜労働者既得権益の侵害か?

石油化学産業労働者組合 VS
エッソ・マレーシア

判決日: 2000.11.06

概要:

会社は、勤続20年以上の労働者および勤続 20 年を経た退職者を対象に、夕食会を毎年開催してきた。

会社がこのたび、夕食会への招待から勤続 20年以上の労働者を除いたことから、石油化学産業労働者組合は、会社が既存権益について記した労働協約72項に違反すると訴えた。

一方会社側は、夕食会のサービスが行われていたからといっても、これが労働者に対する利益・恩恵の類には当たらないと反論。夕食会を実施するかどうかは会社のポリシーの問題だとして、会社にはこれを変更する権利があると主張した。

また会社側は、組合が1967 年産業関係法33条の解釈上の問題として扱うべきところを、同法 56条の労働協約の不履行だと訴えたのは誤りだと主張した。

判決:

原告側の主張を却下

裁定内容:

(1) 1967年産業関係法56条(労働協約の不履行)に基づく組合側の主張は、労働協約に明確に示された内容にのみ成立する。年次夕食会は、労働協約に記された労働者の利益・ 恩恵とは認められず、夕食会への招待は、労働協約72項の適用範囲を越えている。

(1a) この問題は、1967 年労使関係法33(1)条にて扱われるべきものである。この理由からだけでも、組合側の訴えは認められない。

(2) 組合側には、夕食会が労働者の既存の利益・恩恵であると立証する責任があるが、 それはなされなかった。

(3) 組合側の主張を認めることは、会社が実施した好意的な行為について、後々撤回することができなくなるというリスクを生じさせるものであり、会社側が労働者に福利厚生に力を入れることをためらわせることにつながる。

*1967 年産業関係法 33(1)条では、判決や裁判所が審議をおこなった労働協約の解釈に疑問が生じた場合は、法廷に判断をゆだねることができるとある。原告側は訴えを起こす前に、まずこの条項に従って解釈の判断を仰ぐべきだった。

Was this article helpful?