家庭を持つ女性への転勤命令〜実質的な解雇とみなせるか?

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チェーン・ゲオックエン氏 VS
メイバン・アシュランス

判決日: 2001.06.29

概要:

チェーン・ゲオックエン氏(以下C氏)は、サラワク州クチン支店のビジネス・ デベロップメント・マネージャー。会社はC氏のポジションを廃し、クアラルンプール (KL)への転勤を命じ、これに反発するC氏に対し命令違反を理由に解雇した。C氏は、 夫や子供と共に住んでいる同州での勤務の継続を望んでおり、C氏のポジション廃止と 転勤命令が降格人事であり、労使の信頼を損ねる不当な措置だと主張。会社の上司でク チン支店の責任者であるT氏とは以前から関係が良くなく、一連の会社の措置がT氏に よる不当な仕打ちであるとした。一方会社は、C氏のポジション廃止がその生産性の低 下によるものであり、また本社への転勤命令がC氏に適したポジションの空きがあったからだと主張。同措置が雇用契約に基づく正当な措置であったと訴えた。

判決:

みなし解雇。
ただし解雇の正当性、およびC氏の救済方法については継続審議。

裁定内容:

(1) 会社がC氏のポジションを廃したこと、およびC氏に KL への転勤を命じたこと は、純粋に会社が法廷において主張した理由に基づいたものではなく、C氏とT氏の間の険悪な関係を解消するためであった。

(2) 会社の措置に対するC氏の不服申し立ては、純粋であり正当なものである。会社 がC氏の不満を考慮しようとしなかったことは、労使間の信頼を損なうものである。

(3) C氏のポジションの廃止およびC氏の配転が、本当に緊急を要する案件であった のならば、会社はC氏に相談したり、同意を得たりすることはなかっただろう。

(4) これまでC氏がサラワク州で勤務していた際に受け取っていた地域手当がなく なったことは、C氏の同州における勤務がなくなり収入減となることを示す。しかしこ れが降格に当たるというC氏の主張の裏付けとはならない。

(5) 被雇用者の転勤は、悪意に因るものでない限り雇用者の権限とされる。C氏の転勤は純粋に雇用者側の意図によるものであって、他の既婚女性社員と変わらないC氏の社内における状況からみて、C氏の異動が不公平な措置だとみなすことはできない。

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