文書化されていないマニュアル〜従業員の規則違反を問えるか?

  1. Home
  2. Knowledge Base
  3. 判例
  4. 規則・違反行為
  5. 文書化されていないマニュアル〜従業員の規則違反を問えるか?

アブドゥル・ガニ・アブドゥラー氏
VS
マレーシア航空

判決日: 2001.06.29

概要:

アブドゥル・ガニ・アブドゥラー氏(以下G氏)は、予約課の上級職員。

会社はG氏に対する9件の社則違反を申し立てて、査問委員会を設置した。最初の8件はG氏が許可なく宿泊先までの乗り継ぎ客の輸送を独断で行ったために会社に金銭的な損失が出たというもので、残る1件は取引先のホテルから食事の接待を受けていたというもの。 査問委員会は前述の8件のうち7件、および食事供応についてG氏の有罪を認定し、G氏の配置転換を会社側に提言したが、会社側はG氏を解雇した。

一方、G氏は乗り継ぎ客の宿泊先への輸送に関し、ホテル満室の場合他のホテルまで輸送することを会社より認められていると主張。こうした問題が発生した際の処置について地区予約課マネージャーがG氏に一任することをほのめかしていたとして、規則違反には当たらないと反論した。また食事の供応についても、事実無根だと主張した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 会社は宿泊先への乗客の輸送について、G氏に権限がないと証明できなかった。 また地区予約課マネージャーがG氏に対し口頭で、ホテルが満室の場合に乗客を他のホ テルに輸送するよう指示していたことは容易に推定できる。

(2) G氏は入社前に、特定のホテルが満室だった場合に乗り継ぎ客を他のホテルまで 輸送するという訓練を受けていたことは証拠だてられている。

(3) ホテルが満室だった場合の乗客輸送について、会社には文書によるガイドラインがなかった。すなわちG氏は乗客の便を考慮してG氏の職務の範囲に従って行ったものである。

(4) 会社が主張しているような、G氏が顧客より食事の供応を受けたことは証明でき なかった。

(5) G氏の年齢および不当に解雇された事実とを勘案し、会社はG氏を復職させるべきで、未払い賃金および手当を支払わなければならない。

*G氏が接待を受けていたとされる件では、証拠とされるホテルの接待申請書に書かれていた名前がファーストネームのみであったため、法廷は証拠不十分だと判断。

また 1950 年証拠法114条では、原告およびそれに関与したとされる証人の法廷への招致がなければ認められないとしているが、これらの法廷における証言が得られなかったことで、会 社の主張が立証に足らないとした。

Was this article helpful?