期間雇用と常勤社員の違い〜無資格を理由に在職者を解雇できるか?

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マイケル・ング・リアンコック氏
VS
マレーシア航空

判決日: 2000.10.30

概要:

マイケル・ング・リアンコック氏 (以下N氏) は、英国の民間商業航空パイロット資格を所有。サバ州地方路線の航空運輸業務におけるパイロットとして会社と3年間の雇用契約を結んだ。

当初の雇用期間は 1990年3月19 日〜1993 年3月18日だったが、93年2月22日には 1996 年3月18日まで3年間延長。96年3月8日、N氏は会社宛てに雇用契約更改が迫っているとの確認書を送付した。

会社は、N氏の雇用契約には明確な更新条項がなく、自動的に期限がくる期間雇用契約であったとしてN氏との契約更新を拒否。N氏との雇用契約打ち切りは、N氏が余剰人員であるという理由に基づくもので正当なものだと主張した。

判決:

雇用契約の更新拒否は不当

裁定内容:

(1)会社は、業務の期間や範囲を限定しており、被雇用者であるN氏の業務も同様であると主張しているが、裁判開始以前にこうした主張の裏付けは示されていない。

(2) N氏は昇格し、給与の増額やボーナス支給も受けていた。これらの事実は、N氏の会社における地位が業務運営上欠くことのできない役割を担っていたことからみても、 一般的な雇用契約にもかかわらず期間雇用の体裁をとっていたものである。会社から雇用契約の更新を拒否されなければ、実質的な常勤社員となっていただろう。

(3) 会社は、N氏が受け持つポストが余剰となったと証明することができなかった。 会社幹部がかかわったあらゆる文書をみても、N氏のポストが余剰となった証拠はみら れない。

(4) N氏が航空運輸パイロット・ライセンス(ATPL)を所持していなかったという ことは、地方路線の航空輸送業務におけるパイロットとしてのN氏の雇用契約を打ち切る理由とはなりえない。ツイン・オッター機 (双発プロペラ機) の操縦においては、法律は ATPL 所持を義務づけていない。資格は、在職中の解雇の正当化のために在職者に新たな資格取得を打ち出すような不当なものであってはならない。

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