業務上の問題処理〜責任の範囲はどこまで?

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ナザルディン・スリン氏VS
メイランド・プロパティ・マネージメント

判決日: 2001.09.07

概要:

ナザルディン・スリン氏(以下N氏)は、メンテナンス・マネージャーで、会社が管理するコンドミニアムにおける電気代・水道代の検針を管轄していた。

会計係よりあるテナントからの集金が漏れているとの報告があり、会社はN氏に対処を命令。しかし結局集金はなされず、会社は職務怠慢を理由にN氏を解雇した。

一方N氏は、電気代・ 水道代の請求漏れの調査を行った際、前任者から知らされていなかった補助メーターが設置されていたことを発見し、集金漏れの原因はこの補助メーターが検針されていなかったことだと主張。本来集金の処理とチェックを担当すべき会計係に、未処理の請求を依頼したものの、会計係が処理を行わなかったとした。

またN氏は、解雇に先立っていかなる警告や猶予期間も会社より与えられていないと主張。会社による不当解雇だと訴えた。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 会社は規則違反の本質について説明していない。電気代・水道代の集金業務が会計係の責任であるということに疑問の余地はない。故にN氏が請求書の件で責任を負わされることは不当である。証拠や証言は、N氏が課せられた業務責任に違反するような ことを何もしなかったことを示している。

(2) 会社はまた、N氏が不誠実態度であったという主張を証拠立てられなかった。また会社は、N氏の行為が不当に私欲を肥やしたなどといった、会社に損失を与えたものであったという証拠を示すことができなかった。

(3) 会社が勤務成績不良に基づいて被雇用者を解雇するのであれば、会社は、被雇用者に十分な文書による警告を与え、また改善に要する十分な時間と機会を与えねばならない。それでも被雇用者が勤務成績を改善できなかった場合に初めて、会社はその被雇用者を解雇することができる。

(4) N氏の勤務内容に関する、口頭または文書によるいかなる警告も出された形跡はない。会社は、N氏の勤務成績が不良であったことを示していない。

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