業務再編にともなう異動命令 〜会社の措置は妥当か?

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バラスバラマニアム・ナダラジャ
VS
マコンカ・エレクトロニクス

判決日:2001.07.28

概要:

香港資本である会社は、当時経営危機に陥っており、人員削減を含む業務再編を 進めていた。上級技術者であるバラスブラマニアム・ナダラジャ氏(以下B氏)は、人 員削減の対象とはなっていなかったが、機械の操作員としてプラスチック部門への配置転換を命じられた。

B氏は、異動が実質的な降格処分であるとして出勤を拒否。その結果、会社はB氏を解雇し、B氏は不当解雇だとして会社を訴えた。その後会社は破たんし、破産管財人にF社が指名されたことから、管財人の代表であるK氏が本件を引き継いだ。

判決:

解雇は正当

裁定内容:

(1) 本訴訟は、会社が破たんして管財人が指名される前にすでに起こされており、管財人は本件の関係者とはいえない。法廷は管財人の同意なしに本件を取り扱うことがで きる。

(2) 会社が経営難に陥っていて、やむにやまれず業務再編を行ったことは明らか。財務改善を目的に経営者が業務再編することは、受容できる範囲の経営上の大権である。

(3) B氏は、余剰人員が発生したことによる人員削減から、配置転換という形で救済を受けていた。B氏が機械作業員に配転となった後に、それまでの上級技術者の時に受け取っていた給与より減額されたという証拠はない。それどころかB氏は、配置転換に かかわる手当を受け取っており、雇用にかかわるその他の権利を保証されている。

(4) B氏のプラスチック部門への異動は、会社の状況からみて合理的判断であり、法 的に妥当であるが、B氏の執拗な異動拒否は正当とはいえない。B氏を解雇するに至った会社のとった行動とB氏の主張を公平にかんがみても、会社の措置は正当なものであった。

会社が倒産し被告が帰国したために不在となった特異な裁判。管財人が訴訟に関与するかどうかがまず焦点となった。B氏側は、訴訟が管財人の指名前に行われたことから、 管財人は訴訟の関係者でないと主張しており、法廷もこれを認め、衡平法の原理にしたがって本件を裁いた。

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