業務命令不服従~意図的であったと証明できるか?

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モハメド・バハル・マンソル氏
VS
イントラコタ・コムポジット

判決日: 2001.07.18

概要:

会社はキーパーソンを集めた企画会議を催した。マーケティングおよび管理部門 担当役員であったモハマド・バハル・マンソル氏(以下M氏)もこの招集を受けた。M氏はこの前日に地方出張に出ており、会議当日の朝クアラルンプール到着予定の帰りの列車が遅延したうえ、出勤の自家用車の故障が重なり会議に間に合わなかった。会社は M氏に対し、
(イ)会議に出席せよとの業務命令に対する不服従
(ロ)会議欠席について、ウソの弁解を弄して会社を騙そうとした
(ハ)会社が進行中の業務に関する資料を会社 が指示した人事担当マネージャーに渡していなかったことが命令不服従に当たる
(ニ) M氏が担当していたバスの納入や修理の遅れがでるなどM氏の勤務成績が不十分
との4つの理由により解雇を通告した。加えて会社は、この点についてM氏に追及してもやる気のない反応しか返ってこなかったと主張した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1)合理的な業務命令に対する故意の不服従は、被雇用者が雇用者の命令に従わなければならないとする雇用契約の本質を無視するものであり、即時解雇は正当とみなされる。ただし不当な命令不服従と見なすには、それが深刻な問題であり且つ故意であると 証明せねばならない。

(2)(イ)(ロ)の両件に関して会社側は、M氏の会議欠席の理由について反証できず、 会社はM氏が会議を忌避せねばならなかった理由を示せなかった。またM氏の証言は信 用足るもので、会社が主張するような矛盾は見受けられない。

(3)(ハ)に関して会社側の証人のM氏に当該指示を出したかどうかの記憶があいま い。M氏が資料を渡すように指示されたとの証明はなされなかった。

(4)(ニ)に関しては、責任をM氏一人に被せることはできない。バス納入・修理の遅 れは部品の不足によるとのM氏の主張に対し、会社側は反論できなかった。

(5)会社はM氏の勤務成績不良も主張しているが、M氏はこれに対する会社の警告指導は受けておらず、M氏に十分な改善の機会を与えていたとは言えない。

(6)労働環境からみて、M氏の職位復帰はできないが、その代償として会社はM氏に対し慰謝料を支払うべきである。

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