業務規則違反か単なる仕事上のミスか〜解雇の理由になるか?

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マズラ・ハッサン氏
VS
プロジェク・ルブラヤ・ウタラ・スラタン(PLUS)

判決日: 2000.10.10

概要:

マズラ・ハッサン氏 (H氏) は有料道路の料金係。上司によりH氏が担当する料金所への抜き打ちチェックがあった際、通行券3枚 (総額 18.6リンギ)がH氏によって処理されていなかったことが判明した。

会社は、料金所業務規則に従って欠陥通行券を他の通行券と分けて処理しなければならなかったのにH氏がそれを実行しなかったとし、 業務規則違反により解雇した。

一方H氏は、通行券の欠陥を発見したものの他の通行券と別に処理するのを忘れていただけと説明。会社は査問委員会も開いておらず、調査は一方的であり、解雇は不当だと訴えた。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) H氏の通行券処理問題に関する社内の査問委員会が開かれなかった。これについ てH氏は、不公平であり、いかなる者も弁明の機会を与えられるべきであるとする自然的正義(natural justice)の原則に反すると主張した。しかしながら社内の査問委員会が開かれなかったことは、会社の主張に関する致命的な問題とはならない。なぜなら査問委員会が開かれなかったという問題は、そこで判断されるべき事が法廷に持ち込まれたことにより、意味をなさないものとなっているからである。 いずれにせよ、会社の解雇理由書に対するH氏の回答は矛盾のないものであり、社内の査問委員会は開催されたとしても役に立たないものとなっていたであろう。

(2) H氏はミスを犯したものの、それは横領や不正といった犯罪性のあるものではない。比例制の原則 (doctrine of proportionality) に基づき、ミスに対する処罰はその犯した罪状に釣り合うものでなければならない。

(3) 今回のH氏のミスは、業務上のプレッシャーによって初めて犯したものであり、会社からもH氏の常習的なミスであるとの証拠は挙げられていない。せいぜい叱責と給与からの 18.6リンギ減額程度の処分が妥当であり、会社規則に対する不服従との理由による解雇は不適切である。

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