業績悪化による人員削減 〜削減を避ける努力は払われたか?

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リー・スアンシム氏
VS
BASF(M)

判決日:2001.08.22

概要:

リー・スアンシム氏(以下L氏)は、社長の個人アシスタント。会社は景気悪化を理由に、L氏の業務を削減の対象に認定し解雇した。

L氏は、L氏の業務は依然とし て存在しており、余剰を理由とした解雇は不当だと訴えた。

一方会社は、会社が提示した解雇補償の条件をL氏が受け入れたことを挙げ、合意による解雇であったことを強調した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1)人員削減は、必ずしもその業務や職位が以後存在しなくなることを意味するものではなく、より少ない人数でいかなる業務をも処理することを意味する。

(2) 経営難に直面した会社がまず乗り出すことは以下などの方策。

▽賃金カット

▽昇給停止

▽一時的 な昇級停止

▽交通費や交際費の切り詰め

こうした方策が本件において 実施された形跡は見当たらず、会社はむしろ最後の手段ともいえる即席かつ、一方的な人員削減に踏み切っている。解雇を行うにしろ、少なくとも被雇用者による自発的な退職 をまず優先すべきである。

(3) L氏よりも勤務年数の少ない社員が解雇されずに会社に残っている。これは LIFO原則に違反している。

(4) 証拠から見てL氏の業務は、L氏退職後も残されている。これはL氏が余剰人員となったとする会社の主張が欺まんであったことを示している。

(5) 会社側は、当時経営難であったと主張しているが、会社の純資産および事業内容から見て、将来的な見通しが明るかったことを示している。

(6) L氏が解雇に同意して会社より十分な解雇補償を受け取っていた事実があったとしても、それはL氏が後日会社を訴え出ることの妨げにはならない。

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