海外旅行中に体調を崩した原告〜 1カ月の「病欠」は 立証されるか?

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ドリン・シット・チンフォン氏
VS
ゴールデン・サンド・ビーチ・リゾート

判決日: 2000.10.31

概要:

原告のドリン・シット・チンフォン氏 (以下D氏) は、ホテルのゲスト対応係として勤務。無断欠勤を理由に解雇された。

有給休暇を取って海外旅行をしている際に体調を崩したD氏は、現地の医者にかかった。その結果、それ以上旅行を続けることは望ましくないと診断され、1カ月間の病気休暇を取るよう指示を受けた。

D氏はその診断報告書を現地から勤務先のホテルにファックスし、医者の指示通りに1カ月間の休養を取った。

しかし、その後仕事に復帰したD氏に対しホテル側は、診断書の内容は不十分であり、信用するに値しないと判断。D氏自身の一連の行為にも不可解な点が多いとして解雇を言い渡した。

判決:

不当解雇

裁定内容:

(1) 解雇の原因となったD氏の根本的な不正行為を、会社は立証できていない。1955 年雇用法15条に基づき、被雇用者の行為が以下のどちらかに反さない限り、無断欠勤の不正行為は成立しない。

(イ) やむを得ない事情が無い限り、被雇用者は事前の承認を得ずにして連続2営業日を超える無断欠勤してはならない。
(ロ) 雇用者の指定した医師もしくは公認の医師の診断を受け、そこで必要と判断された場合のみ、被雇用者は有給の病気休暇を取ることができる。

D氏の場合、いずれの条項にも反してはいない。

(2) D氏が往復ではなく片道航空券を購入したことから、もともと予定の期日にホテルに復帰する意思がなかったとするホテル側の主張は合理的とはいえない。公認の医師が発行した診断書により、D氏の体調が旅行するにふさわしくなかったことは立証されている。

(3) D氏の診断書は、実際にD氏を診察した医師によって、D氏が体調を崩したとさ れる同じ時期に発行されていることから、偽りのないものだと判断できる。また、D氏が旅行から帰宅した際にその健康状態を調べるなど、ホテルにはD氏に対する疑いを証拠立てる機会があったにもかかわらず、それを行っていない。

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