異動による給与減額〜会社側の一方的な措置か?

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ノルザン・アリアス氏
VS
クアン・エイクリョン・ハードウェア・トレーディング

判決日: 2001.01.12

概要:

ノルザン・アリアス氏 (以下N氏) はトラック運転手。8トン・10 トントラック の運転を担当していたが、後に 20トントレーラーを運転するようになった。その後会社は、N氏用のトレーラーの空きがあまりなく、N氏がフルタイムで運転業務を行っていないにもかかわらず給料をもらっていることに他の社員から不満が上がっていると主張。 N氏により給与額の低いトラック部門への移籍を命じたが、N氏が拒んだため雇用契約書の条項に基づき、1カ月の猶予期間を経て解雇に及んだ。

これに対しN氏は、会社の主張しているような雇用契約書がそもそも存在しておらず、また入社以来トラック運転およびトレーラー運転手休暇の際の代行運転など両方こなしており、トラック部門へ移籍してもN氏の職務内容は変わることはなく、会社のいうところの移籍が実質的な賃金カットに当たると主張。会社がN氏を給与の低い後任のT氏と入れ換えるためにおこなった悪意に基づく解雇であったと訴えた。

これに対し会社は、後任T氏を雇用したのがN氏解雇の1カ月後であったとして、N氏の解雇に悪意はなかったと主張した。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 会社は、N氏の雇用契約解除の通知書においていかなる理由も付記していない。このことは、N氏の解雇が正当な理由に基づくものでなく、マネージメント側の独断に よるものだったことを意味し、N氏の主張を裏付けるものともいえる。

(2) N氏が採用に際して実際に通知書を受け取っていたかどうかは、本件においては さほど重要とはいえない。また会社がおこなったN氏の解雇は、解雇を無条件に認める とする、会社の主張するところの採用通知書の条項に依拠して行われたにすぎない。

(3) 会社が、N氏に 10 トントラック部門への移籍を命じて給与額を減額したのは、会社の一方的な給与減額にあたり違法である。

(4) 会社が後任T氏を雇用したのは、N氏の退職に基づいたものではなく、単にT氏の給与額がN氏より安かったからに過ぎない。

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