盗難容疑に関する査問委員会〜告発状にない罪状で有罪にできるか?

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ラムダリ・グラム・モハンマド氏
VS
アソシエーテッド・パン・マレーシア・セメント

判決日: 2001.01.12

概要:

ラムダリ・グラム・モハンマド氏 (以下R氏) は会社の保安員。会社はゲートに保安員R氏を含む3人を配置していたが、R氏が他の2人に休憩をとるよう求めゲートにR氏1人だけ残っていた時に、会社の製品が持ち出される事件があった。

会社はR氏を窃盗の疑いで査問委員会にかけた。査問委員会は窃盗について証拠不十分としたものの、R氏が他の保安員2人に休憩をとらせていたことに関して有罪として解雇した。

R 氏は、会社がR氏と同様に工場の包装検査係J氏を最初窃盗容疑で訴えたものの、後に訴えの内容と異なる職務怠慢について有罪としていることを問題視。またJ氏について これを理由として降格処分としたにもかかわらず、R氏だけを解雇処分としたのは公平の原則に違反しており、労使間の信頼を損なうものであると主張した。

判決:

解雇処分は不公平

裁定内容:

(1) 査問委員会では、そこで検討されるすべての申し立てについて、あらかじめ告発状に明記されるべきである。告発状において明記されていない、審議に付される予定のない罪状について訴えることは許されない。

(2) 査問委員会メンバーは、告発内容や違反行為の詳細についてR氏に伝達すべきで、 またR氏に弁明の機会を与えるべきだったが、それは行われていない。

(3) R氏が他の保安員2人に休憩をとるよう求めたとされることについて、何ら有効な証拠は提示されなかった。保安員2人は本件における最も重要な証人であるが、会社は彼らを召喚することはせず、実際にR氏に対する容疑に関する知識を持つものは一切 会社側の証人として召喚されていない。

(4) 会社側の証人は、事件があったとされる日に盗難があったとの記録は焼却してしまって消失したとして、盗難に関して事実関係を証言できなかった。この書類は大変重要であり、会社は警察からコピーを入手するなどすべきだった。

(5) R氏の解雇は、公平の原理の境界線を越えるものだった。会社は同じ罪状で有罪とされたJ氏に対するものに比べ重い処罰を行っており、矛盾したダブル・スタンダー ドな態度である。

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