社内での暴力行為〜正当防衛の主張は認められるか?

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セルヴァナタン・ペチュムトゥ氏
VS
マシフ・ヘルスケア・プロダクツ

判決日: 2001.06.30

概要:

セルヴァナタン・ペチュムトゥ氏 (以下S氏) は、ボイラー担当。工場内で同僚 (P氏)との間で、2度にわたる暴力沙汰をおこした。

会社は査問委員会を開き、ケンカ行為を禁じる会社の規則に違反したとして、双方を解雇処分とした。

S氏は、ケンカ行為への関与を認めたものの、暴力行為は自分から積極的に始めたものではなく、P氏の攻撃に対する正当防衛だったと主張。S氏によると、S氏が誤ってP氏の足を踏んだことで両者の間で口論となったことが発端。いったん同僚らから仲裁されたものの、P氏が工具で武装して再びS氏に向かってきたため、S氏は自己防衛のためにP氏をなぐったという。

S氏はこうした主張を元に、解雇は不公平だと訴えた。

判決:

解雇は不当

裁定内容:

(1) 誰がどのようにケンカを始めたかに関しては、目撃者はいない。ただ、その直後現場に居合わせた複数の同僚は、両者が同僚の仲裁によりいったん中止したケンカを再開した際、P氏が顔から血を流し、工具を手にしていたのを目撃している。これらの証言は、P氏が工具を手に向かってきたとのS氏の証言を裏付けている。

(2) こうしたS氏の証言への反論に当たっての法廷証言をP氏は欠席した。

(3) P氏が持っていた工具は鋭く、長さが6インチもあり、P氏がとった行動に対するS氏の反応は、自己防衛として自然な行動である。S氏は、P氏の行為により自身に重大な危害が及ぶとの懸念と、その恐れが差し迫った現実であるとの認識にあった。

(4) 査問委員会は、同件の審理において証言や状況に注意を払っていない。そこでは S氏の正当防衛に対する十分な配慮がなされていたとはいえない。

(5) S氏の解雇が不当だったとはいえ、S氏にケンカをおこす性向があるのは証拠からも明らかであり、責めを負うべきである。状況から見てS氏の職場復帰は求められない。

* 法廷は、S氏の主張に基づき正当防衛を認め、会社の解雇処分が行き過ぎであったとしたものの、同僚の証言によりS氏が過去にもケンカ騒ぎを起こしていること、また同僚を脅すような言動があったことを重視。職場復帰には難色を示し、失業への補償との名目による 3,500リンギの支払いのみを会社に命じた。

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