組織改編にともなう配転 〜十分な配慮はなされたか?

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タイ・ヒョンキン氏
VS
UMWインダストリーズ(1985)

判決日:2001.06.08

概要:

会社幹部であるタイ・ヒョンキン氏 (以下T氏) は、サービス・エグゼクティブ (SE)。会社の組織改編にともない、上級サービス・アドバイザーへの配置転換を命ぜられた。

T氏はこれを不当な降格人事であり、実質的に解雇に追い込むものと主張。SEとしての職権を喪失したうえ、給与額が同じ職位の同僚より 10 リンギ低くされ、また 自分が得るはずだった歩合給を他のSE2人に奪われたと主張した。

会社はT氏の配転拒否を受け、代替案として地方への転勤を提案したが、T氏はこれも拒否。会社はさら にT氏のためにプロダクト・エグゼクティブの職を用意したが、歩合給であることから実質的な減給だとして拒否した。

判決:

会社の措置は合法

裁定内容:

(1) 会社は、売り上げの落ち込みにより緊急のリストラ実施を求められる中、T氏の要求を可能な限り考慮する姿勢を見せている。

(2) 経費節減と効率化を追及するために会社がとった、勤務ローテーションの変更、 配置転換、異動、組織改編などの措置は、すべて正当なものであり、悪意からではなく 善意からきたものである。

(3) 他のSE2人は、特定の顧客を長期にわたって扱っており、会社もそれを評価していた。こうした会社の判断はT氏の主張によって妨げられるものではない。

(4) T氏は、歩合制が実施されることで自分の所得が減少すると考えた。しかし歩合制は個人の努力にいかんによって所得が決まるのであって、T氏が新たな職場へ異動し たことで所得が減少したかどうかは判らない。T氏の判断は早とちりだった。

(5) 10リンギの給与額の違いは、単なる誤りであり、決して会社が故意におこなった ものではない。これは、会社がリストラを求められる状況下でT氏の雇用を配置転換によってでも維持しようとしたことからも裏付けられる。

(6) T氏を地方に転出させようとした会社の行動は、会社の正当な再構築計画に基づ きT氏の要望を十分に考慮した提案をT氏が受け入れようとしなかったための、代替措置でしかない。

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