組織改編による職務内容変更〜被雇用者による拒否は正当か?

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シャーミニ・ドライ氏
VS
キャリア・パブリケーションズ

判決日: 2000.02.26

概要:

原告のシャーミニ・ドライ氏 (以下S氏) はアシスタント・エディターとして就職。出版業を営んでいた会社は、経営困難を脱するために何度かその業務内容の変更を試みるが、どれも失敗に終わった。そこで会社は出版業をあきらめ、全く新しいビジネ スに乗り出した。

これに伴い、S氏をはじめ全従業員の職務内容の変更が不可欠となった。同時に、固定給与額をいくらか削減し、その代わりに3%の歩合制度を設けた。

S 氏の場合、固定給与額は 2,220リンギから1,820 リンギに削減され、3%の売上コミッ ションが加算されることになった。S氏を除く全ての従業員はこの変更を受け入れたが、 1カ月以上経過してもS氏からは返答が得られなかった。

会社は、S氏が職務内容変更を拒否したものと理解し、余剰人員を理由としてS氏を解雇する結論に達した。

会社側の主張によると、職務内容変更が通達されてからというもの、出勤時間を守らないなど S氏の勤務態度が極端に悪化。また、組織改編に伴う従業員との会議にS氏は一切出席しなかった。

これに対しS氏は、会社がボーナスを支給し続けていたことから、経営困難の実情は無かったと主張。解雇は不当であったと訴えた。

判決:

解雇は正当

裁定内容:

(1) 会社が経営困難に陥っていたことは証明された。組織改編は必要であった。しかし会社は従業員をひとりも失わずに危機を乗り越えるべく最善を図った。固定給与額の削減は、会社に利益をもたらすためにやむを得ないものであった。これに対しS氏を除く全従業員は理解を示した。

(2) ボーナスの支給は契約上の取り決めであった。実際、このボーナスは会社の売り上げからではなく、取締役などのローンから支払われていた。

(3) 組織及び給与形態の変更にあたって、会社は義務ではなかったのにもかかわらず 従業員との話し合いの場を何度か設けた。しかしS氏はこれに出席しなかった。

(4) S氏の勤務態度の不良は、節度を越えるものであった。会社はS氏に対していかなる悪意も抱いてはいなかった。会社はS氏に十分な機会を与えたのだが、S氏はこれに一切応えようとしなかった。解雇はやむを得ないものであった。

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